健全なナショナリズムを 吉崎 富士夫

 いまさらですが、11月16日の衆議院解散に臨んだ野田首相の記者会見の主張にはまったくと言って良いほど賛同できません。


 とりわけ、今後の総選挙の争点となるとして掲げた外交・安全保障分野において、「強い言葉が必ずしも強い外交を意味しない」との趣旨の発言には耳を疑いました。


 なぜなら、政治家とは、少なくとも言葉を武器にして戦う職業であり、とりわけ力強い言葉で自国の主張を代弁するのは首相のきわめて重要な役割ではないかと考えているからです。周辺国の理不尽とも思える不当な領有権の主張に対して、きっぱりと強い言葉で言い返すことは、主権国家としての最低限の仕事です。すなわち、外交上の強い言葉は相手国に対する排除主義になるとの認識を示す野田首相は、すでに首相の器ではないという事です。


 そして、戦後67年間、この日本という国に健全なナショナリズムを体現する政治がなかったことが問題の本質であり、それを強い言葉の責任に転嫁することなどは許されません。全くの認識不足と言わざるを得ません。


 やはり、野田首相の今回の発言を通じて、現状の民主党政権には今後の日本の未来を託すわけにはいかないし、次期総選挙後に比較第一党として影響力を発揮することが日本のためになるかどうか甚だ疑問です。(千葉県市川市)