育鵬社版「不利益想定できず」 原告の即時抗告棄却

 八重山教科書問題をめぐり、石垣市の中学2年生と保護者が、育鵬社の公民教科書の無償給与を受けない地位にあることの確認を求めて仮処分を申請し、一審の那覇地裁が却下した裁判で、福岡高裁那覇支部(綿引穣裁判長)は原告の即時抗告を棄却した。決定は10月25日付。原告は期限までに最高裁に特別抗告しなかったため、仮処分を却下する決定が確定した。


 原告は、育鵬社版の無償給与を甘受させられたことで著しい損害、急迫の危険が生じたと主張したが、同支部は「育鵬社版を用いて公民を学習することによって、具体的にどのような著しい不利益が生じるのかも想定し難い」と指摘した。


 20日に記者会見した市教育委員会の玉津博克教育長は「私たちの判断が正しかったことを認めてもらった。育鵬社の教科書を使っている学校は、先生も生徒も何の心配もせずに授業に専念してほしい」と述べた。


 原告は8月に仮処分を申請したが却下され、同月中に即時抗告していた。
 仮処分とは別に、市内の中学生と保護者が石垣市を訴えている八重山教科書問題の裁判は10月19日に結審しており、来月26日に判決が言い渡される予定。