モラル崩壊 辻 維周

放し飼いと思われる犬(鑑札なし)
放し飼いと思われる犬(鑑札なし)

 先月より行われている「南の島の猫アイランド事業」によって、猫の不妊手術がクローズアップされてきた。しかし逆に八島の人工島に猫を置いてくれば、不妊費用を自分で負担しなくてもやってくれると言う無責任な考えの人も存在するようで、耳先V字カットをされていない猫(不妊手術がされていない猫)も多少なりとも増えている。

 

 それにしてもこの島の野良猫、野犬、放し飼いの犬の多さは異常なほどであり、伊盛牧場では何頭もの成牛や子牛が、深夜、野犬に食い殺されると言う事件も発生している。我々もロードキルのパトロール中に相当数の野犬や放し飼いと思われる犬、そして野良猫を目撃しており、特に犬の場合はできるだけ写真を撮って、市の環境課や保健所に届けるようにしている。一部の飼い主は、その犬や猫に終生責任を負うという至極当たり前のことすら、実行できないのだろうか。

 

 人間の都合だけで犬を放し飼いにしたり、犬や猫を捨ててしまったりする事は、当然ながら許されざる行為であり、終生飼育が出来ない人は飼い主になる資格などない。
 それに起因した、犬や猫のロードキルも多発しており、先日は私の2台前の車がマンタ公園前で子猫を轢いてしまい、のたうちまわっているその猫を置き去りにして、平然と立ち去ると言う場面を目撃した。我々はすぐ路側帯に車を止め、ハザードと黄色の回転灯をつけた上で猫の手当てを行ったが、眼球が飛び出し、至る所から出血しているという、手のつけられない状態であった。当然と言えば当然であるが、轢いた人間は戻っても来なかった。

 

 その時気になったことは、猫の処理をしている我々の横を、ほとんどの車が速度も落とさずに通過して行ったということである。普通の神経であれば、路側帯で人間が作業をしていれば、速度を落とすはずである。もちろん「何がありましたか?」と車を止めて聞いてくれる人など、誰一人として存在しなかった。

 やいまぴとぅ、島ナイチャーを問わず、この島の人々の神経は一体どうなってしまったのだろうか。「温かい八重山」ではなかったのか。「生き物にも優しい八重山」ではなかったのか。

 

 さらに携帯をかけながら運転をする「ながら運転」や、飲酒運転も後を絶たず、しかも捕まった本人には罪の意識が希薄であるとも聞く。車を運転すると言うことは、大きな責任を負うということでもあるが、そのことを認識している人はどれほどいるのであろうか。
 このままで行くとせっかく新空港ができても、特に市街地での交通事故が続発し、観光立市どころではなくなってしまうことが懸念される。

 過去にも書いたように、この小さな島ではどれほど急いでも到達時間は数分しか変わらず、それに引き換え事故の危険性が増してしまうという、至極当然な論理を再度胸に刻んでいただきたい。