福島第一原発事故に伴う…

 福島第一原発事故に伴う原発の停止と火力発電増加の影響で、2011年度の温室効果ガスが前年より3・9%増加した、と環境省が発表した。「脱原発」「卒原発」が進むと、将来的な日本の国際的地位低下や電力不足だけでなく、地球環境にも深刻な影響を及ぼす◆原発事故以降の短い期間で、こうした問題点が徹底的に議論されたとはとても思えない。しかし衆院選では多くの候補が「原発廃止」を訴えている。事故に嫌気がさした有権者のムードに、安易に便乗しているのではと疑いたくなる。沖縄4区も候補者全員が「脱原発」で、原発政策に関しては事実上、有権者には選択肢がないという状況だ◆そもそも「脱原発」や「卒原発」が、それ自体で政策の名に値するかも疑問だ。原発を明日にでも廃止すれば、国民は事故の危険から解放され、すべてバラ色になる―という、のんきな話ではない。さまざまなデメリットもきちんと示した上で、解決に向けた道筋を示すべきだ◆原子力の技術そのものは、人類が生んだ英知の結晶である。21世紀の世界をリードする米国や中国が、依然として原発を推進している現実も、国民は知るべきだろう◆絶叫する候補者は多いが、声の大きさに惑わされるのは良くない。絶叫の中身も、よく聞き分けたい。