北ミサイル 発射強行 先島上空通過 被害なし Jアラートで住民に情報

点滅するJアラートを前に、緊張した表情で職員の報告を聞く中山市長=12日午前10時過ぎ、市役所
点滅するJアラートを前に、緊張した表情で職員の報告を聞く中山市長=12日午前10時過ぎ、市役所

 北朝鮮は12日午前9時49分ごろ、三段式の長距離弾道ミサイルを北西部東倉里から南方向に発射し、日本政府によると、ミサイルは先島諸島付近の上空を通過し、2段目は太平洋に落下した。八重山に被害はなく、自衛隊が石垣市に展開した地対空誘導弾パトリオット(PAC3)による破壊措置命令の実施もなかった。

 

 石垣市では9時55分、全国瞬時警報システム(Jアラート)が作動し、各地の防災行政無線、一斉配信メール、FMいしがきサンサンラジオで、自動的に発射情報を放送。市も防災行政無線を通じ、独自に住民に情報提供した。中山義隆市長は「市の体制としては、しっかりと緊張感を持って対応できた」と強調。北朝鮮がミサイル発射を強行したことに対しては「厳重に抗議する」と述べた。


 ミサイル発射を受け、市役所総務課に設置されたJアラートの機器は赤色の点滅を始め、アラームが周囲に鳴り響いた。Jアラートに接続されたパソコンには「発射情報。発射情報。先ほど、北朝鮮からミサイルが発射された模様です」という文字情報が届いた。同じ内容の自動音声も市役所をはじめ、各地の防災行政無線のスピーカーから流れた。


 中山市長は市長室で第一報を受け、Jアラートの作動直後、機器の前に駆けつけた。
 10時2分には「通過情報。通過情報。先ほど、この地域の情報をミサイルが通過した模様です」という情報が届いた。中山市長は緊張した表情で、刻一刻ともたらたされる職員の報告を聞いた。


 市役所に常駐している陸自、空自の連絡員もJアラートの前で、携帯電話を使って慌しく関係機関と連絡を取り合った。
 首相官邸からのメールを受信するエムネットでもミサイル発射情報が届いた。


 ミサイルは10時5分ごろ、フィリピンの東約300㌔の太平洋に落下したと推定され、市は10時31分、一斉送信メールで落下情報を市民に伝達。
 自衛隊ヘリは4機で島内を上空から調査し、ミサイル発射による被害がないことを確認した。


 市消防、警察からも異常なしとの報告があったため、市は11時8分ごろ、防災行政無線と一斉送信メールで「石垣市では、異常は確認されませんでした。市民の皆様には、日常生活に支障がないことをお知らせいたします」と伝えた。


 中山市長は11時半ごろ、関係部課長を招集して危機管理対策本部を開催し、被害がなかったことなどを報告したほか、今後の対応について話し合った。


 中山市長は会合後の記者会見で「発射は遺憾だが、被害がなかったことに安心している。PAC3の舞台を迅速に展開した自衛隊に感謝したい。海保、警察、消防などの関係機関にも感謝申し上げたい」と述べた。今後予想されるPAC3の撤収作業などに全面協力する考えも示した。