大人たちよ、恥を知ろう! 辻 維周

ロードキル防止啓発の缶バッジを持つ平田君
ロードキル防止啓発の缶バッジを持つ平田君

 第53回「動物愛護の作文コンテスト」(主催  公益社団法人日本動物福祉協会)に応募した平真小学校3年生の平田育(はぐむ)君が、「大じなみんなの命」というタイトルで応募し、全国2等賞に選出された。


 平田君は5人兄弟の真ん中で、兄弟全員が毎朝新聞配達をおこなっている。その時、配達区域である産業道路でロードキルに遭っている動物を見つけると、余った広告に包んで家まで持ち帰り、ビニール袋に入れて「ごめんね」と言いながら、ゴミ箱へ入れると言う。


 一体誰が血だらけになった動物の死体を持ち帰り、轢いた人に代わって「ごめんね」と贖罪の気持ちを言葉にすることができようか。この行動は、身勝手な運転の結果、平然と動物をひき殺してゆく大人たちと完全に対極をなすものであろう。平田君にインタビューしてみると「人間が殺しているのに、死体をそのままにしておくのはかわいそうなので、始めました。車を運転する人はスピードを出さないでほしいです。将来は消防士になって、沢山の命を救いたいと思います」と語っていた。

 

 さらに保護者の方からは、新聞配達の仕事が無い時、ロードキルのパトロールにも親兄弟全員を同行させてほしいとの申し出もあり、冬休み中の金曜日は毎週同行することになった。


 このロードキル密度国内ワースト1位の石垣を、現状のまま平田君のような素晴らしい感性を持つ子供たちに託してはならない。石垣に住む人や、レンタカーを運転する観光客は、今一度この作文が語る意味をよく考えてほしい。育君をこのような子供に育てた保護者の方や、平真小学校の先生方に深い尊敬と感謝の念を覚える。
 大人たちよ、恥を知ろう!


 【以下原文】
 「大じなみんなの命」
  平真小学校3年
    平田 育
 「あっ!また死んでる…」
 朝五時に新聞配たつをするぼくは、毎日道路で死んでいる動物を見ては、つらい気持ちになります。オオヒキガエル、ねこ、とり、ハブ、セマルハコガメ、ネズミにヤエヤマオオコウモリ、みんながころされているのです。


 夜、エサを食べようと道に出たり、横だんしている所を車にひかれて死んでしまう、これを〝ロードキル〟と言うそうです。ロードキルで夜中に死んだ動物たちを、明け方はカラスがエサにしようと、たくさんむらがってきます。ほねと羽毛が食べのこったり、すききらいか食べずに放ちされていることもあります。だからぼくは、あまった新聞やチラシで死んだ動物を拾い、家に連れて帰りビニールにつつみます。そして「ごめんね」って言いながらしずかにゴミ箱に入れます。直せつさわると、バイキンや病気がうつるのでよくないそうです。今は暑いのですぐ、においが出たりウジがわくので、早くかた付けないと、とてもかわいそうです。


 今朝は小さなセマルハコガメでした。甲らがこなごなで、とてもいたくてくるしかっただろうなと思います。温かく、やわらかい体の時は、生き返らないかなと考えたりするけど、悲しそうな目を開いたまま動くことはありません。そして、この死んだ動物たちのお父さん、お母さん子供をずっとさがしてるのかなってそうぞうすると、なみだがながれそうになります。


 ロードキルの調さをしている方がいます。石垣のゆたかな自ぜんを、い持するには、き少動物は欠かせないそんざいです。


 でもき少動物の生たいを知らない人が多いので、ロードキルのひがいはくりかえされているそうです。夜行せいで、町の方にも住んでいること、体が小さいのでどんなに急いでも移動に時間がかかること。だからみんなで守らなければいけないのに、大事なことと理かいされていないとお話してくださいました。島みん全員が共ぞんを意しきして、ゆっくり運てんをすれば、き少動物の急なとび出しや、おそい発見でも、助かったのかも知れないと思います。


 自然界には〝食物連さ〟があります。それは自ぜんの中で動物たちが、食べたり食べられたりすることで、ぼくたち人間が勝手にころしたり、数を減らすことはぜったいしてはいけないことです。かんたんにふえない天ねん記念物のヤンバルクイナやイリオモテヤマネコ、カンムリワシもロードキルで数がげきげんしていると、新聞にかかれていました。数をへらすことをやめれば、少しずつふえるかもしれません。


 ぼくは虫が大好きで、さとうきび葉のイワサキクサゼミや大きいクマゼミ、パインの仕かけではヒラタクワガタをつかまえたりと、夏はたのしいです。けれどやさしく遊ぶこと、遊び終わったら同じ場所でにがしてあげることに気をつけています。そうすれば来年もまた元気に仲間をふやしてくれ、ぼくたちもうれしくなります。みんなの地球だから、虫も動物も人も、命と家族を大切にして、くらせたらいいなとおもいます。ロードキルがなくなって明日こそ、きずついた動物たちがいない道路でありますように。(原文ママ)