景気停滞の暗い影が…

 景気停滞の暗い影が全国を覆っているが、深刻な人口減少傾向が続く与那国町では、特に疲弊が著しい。人口はすでに1600人を切っており、11 月末現在で1574人である◆外間町長は町議会12月定例会で「自衛隊は消費する部隊だ」と述べ、自衛隊誘致は経済活性化が目的だと割り切って見せた。しかし、そう言われるほうの防衛省は本意ではないだろう。自衛隊は本来、安全保障のためにある組織だからだ◆町内には至るところに、自衛隊誘致賛成と反対の横断幕や上りが設置されている。誘致をめぐり分裂する町民の傷口を見ているようで、痛々しい◆自衛隊誘致に反対する人たちは「軍隊がこの島に入ってくると、穏やかな島の空気が失われる」と訴える。しかし反対派が主張するように、台湾との交流で地域活性化を図るというのも、今は現実的とは思えない。台湾へ売り込むべき特産品がないからだ◆国境の島という戦略的な重要性を考えると、国が集中的に資金を投入して、人が住み続けられる環境を維持することが最も妥当だろう。石垣市や竹富町の積極的なサポートも必要だ。特に石垣市は、兄弟が生死の境をさまよっている今「われわれは全国の離島で唯一、人口が増えている」などと得意がっている場合ではあるまい。