学力向上へ「町営塾」 与那国 東大生講師に特設授業 一括交付金「目玉事業」

ウェブ会議システム活用した「町営塾」で授業を受ける子どもたち(与那国町提供)
ウェブ会議システム活用した「町営塾」で授業を受ける子どもたち(与那国町提供)

 与那国町が、町の施設と東京都の学習塾をインターネットのウェブ会議システムで中継する「町営学習塾」を開設している。小学校4年生から中学3年生まで54人が参加し、講師の東大生から画面越しに学習指導を受ける。離島にいながら、本土に匹敵する学習環境で学力向上を進めたいという外間守吉町長の肝いりでスタート。町担当者も「町営塾の効果で、いずれは与那国から東大生を出したい」と意気込む。


 東大生が講師を務める東京の学習塾「東大NETアカデミー」に町が塾の運営を委託する形で、昨年9月にスタートした。


 町営塾の教室は祖納地区の複合型公共施設。東京の学習塾と同施設の2教室が中継で結ばれているため、児童生徒は講師の授業を聞くだけでなく、手を上げて質問することもできる。授業の合い間には、講師と児童生徒が雑談することもでき「普通の授業と変わらない」(町担当者)という。


 小学生は週2回で、算数と国語を学ぶ。中学生は1・2年生が週2回、受験を控えた3年生は週3回で、1月以降は毎日授業があり、数学、国語、英語を学ぶ。
 授業は90分で、同施設には町の補助職員も配置され、児童生徒の世話をする。
 保護者は教科書代1050円のみ負担し、授業料は徴収されない。


 当初は町単独事業でスタートし、外間町長が「私の目玉政策」と語る力の入れよう。今年7月からは委託料に一括交付金約900万円の活用が認められるようになった。同時に、参加者の枠も当初の中学2、3年から拡大し、小学4年生から参加できるようになった。


 町教委によると、今年の全国学力テストで町からは、小学校で4人の百点満点が出た。「各教科とも県平均を上回り、全国平均を上回る学校も出ている」(崎原用能教育長)と、学力向上は着実に進んでいるようだ。
 町内の全児童生徒のうち45%が参加しており「勉強がこんなに楽しいとは思わなかった」という声も寄せられているという。


 担当者は「学習するリズムが定着することで次につなげることができる。町営塾を通じて子どもたちが東大を身近に感じ、いずれは東大に行けるようになってほしい」と期待した。