複数機で領空侵犯も 危機管理システム充実を 惠氏インタビュー

 尖閣諸島問題は日中の新政権誕生、中国の領空侵犯開始など、新たな段階に入って2013年を迎えた。今後の展開はどう予想されるのか、元自衛官で安全保障に詳しい惠隆之介氏(拓殖大客員教授)に話を聞いた。

 

 ―今年の中国の動きは。
 「自公政権は来年の参院選までは思い切った行動をしない。中国はその間に、硬軟をおりまぜて日本の出方を試してくる。尖閣諸島周辺の監視船をさらに増やし、複数の航空機で領空侵犯を試みることが予想される。航空自衛隊に神経戦を挑む効果がある」


 ―惠氏は尖閣を守る上で、沖縄の世論に問題があると指摘している。
 「沖縄の県民世論は非常に単純で、有力者が中国寄りの発言を繰り返している。1月2日に首里城で琉球王国時代の正月儀式を再現するイベントが開かれたが、国王や王妃らが中国語で『万歳』と叫び、北京に向かって拝礼していた。異様な光景だ。あれを見た若者は、沖縄を日本とは感じないのではないか」

 「中国の最高指導者になる習近平氏は福建省のトップだった時代から沖縄と親交があり、沖縄を取り込むノウハウを蓄積している。(尖閣を守るための行動に)沖縄の世論が大きくブレーキをかけることが懸念される」

 

 ―中国が尖閣を奪うために実力行使する場合、どのようなシナリオが予想されるか。
 「私が予想するシナリオは、まず、石垣島と宮古島に工作員が潜入し、宮古空港、石垣空港の滑走路を爆破する。周辺海域にフェリーで機雷を敷設し、空、海から自衛隊や米軍の援軍が入れないようにする。次にすべての電波を遮断し、宮古島、石垣島を孤立状態にする。
 自衛隊、米軍が反撃に出ようとすると、住民を人間の盾(たて)に利用する。こうした上で、日本政府に尖閣の共同管理を持ちかける。住民が人質に取られる可能性が最も危惧される。日本政府は危機管理のシステムを充実させ、法整備を進めるべきだろう」