休日返上で…

 休日返上で艦隊勤務に励む軍人の姿を描いた「月月火水木金金」という軍歌がある。勝利のためには休んでなどいられないという心意気が伝わる歌で、ドリフターズにもカバーされたから、聞いたことがある読者も多いだろう◆「休まない」という一種の美学は、戦後日本にも引き継がれた。高度成長期を支えたのは「モーレツ社員」と呼ばれた仕事人間たちだ。困難を乗り越えて勉学に励み、立身出世した二宮尊徳や野口英世がヒーローだった世代である◆そして現代だが、言うまでもなく「休む」ことが権利として主張される時代だ。学校でも会社でも「休めない」とブツブツ文句を言う人たちがいくらでもいる。こうした傾向に拍車をかけたのは、学校完全週5日制をはじめとする「ゆとり教育」ではないか。「総合的な学習」などと名づけられ、授業の一環に位置づけられた体験学習も、どこまで教育効果があったのだろうか◆休むことは本来、権利ではなく、働いたことの報酬として与えられるものだ。さらに言えば、自分から積極的に求めるべきものでもなかった。そうした節度が、先人たちにはあった◆厳しい経済不況と戦う中小零細企業には、週休2日を謳歌する余裕はない。このうえ「休まないことは罪」などと言われては、立つ瀬がないというものだ。