尖閣諸島を世界遺産に 野鳥の会講演 「評価基準に合致」と期待 ブランド化で地域振興も

北小島に接近する東京都の調査船(昨年9月、都提供)。尖閣諸島には豊かな自然が残っている
北小島に接近する東京都の調査船(昨年9月、都提供)。尖閣諸島には豊かな自然が残っている

 尖閣諸島(石垣市登野城)を行政区域とする石垣市は、「尖閣諸島開拓の日」式典を14日、石垣市民会館中ホールで行った。日本野鳥の会の山本裕自然保護室チーフらが講演し「尖閣諸島は野鳥の重要な生息地。奄美・琉球諸島を世界自然遺産にする動きの中に、尖閣諸島も含めて進めてほしい」と述べ、尖閣諸島の世界自然遺産登録を提言した。

 

尖閣諸島開拓の日の式典で講演する日本野鳥の会の安藤会員室長(左)と山本チーフ=14日午後、市民会館中ホール
尖閣諸島開拓の日の式典で講演する日本野鳥の会の安藤会員室長(左)と山本チーフ=14日午後、市民会館中ホール

 講演したのは山本チーフと安藤康弘事務局長代理・会員室長。山本氏は、尖閣諸島に国の天然記念物アホウドリやオオアジサシ、センカクモグラなどの貴重な動物が生息することを指摘し、世界自然遺産登録の評価基準となる「生態系」「生物多様性」に「当てはまる例だと思う」と述べた。


 政府は現在、西表島全域の国立公園指定など、奄美・琉球諸島を世界自然遺産に登録するための作業を推進している。山本氏は「奄美・琉球諸島」の中に尖閣諸島を含めることに期待感を示した。


 国内ですでに世界自然遺産に登録されている小笠原諸島、知床、屋久島などは、国立公園や森林生態系保護地域に指定され、貴重な環境が法的に保護されている。世界自然遺産登録されれば「ブランド化が進み、地域に人が訪れるようになり、地域活性化にもつながる」と強調した。


 安藤氏は、尖閣諸島に約500羽生息するといわれるアホウドリについて「(世界でもう1カ所の生息地である)鳥島のアホウドリとは遺伝的に異なるとの指摘がある。そうなると尖閣はかけがえのない貴重な生息地になる」と述べた。


 尖閣の今後については①学術調査による現状把握②貴重な動植物の法的な保護③生態系を乱すヤギの駆除―を早期に進めるべきだと述べ、行政、研究者、市民・NGOの連携を呼び掛けた。