胃カメラ老朽化進む 検診には支障なし 早期更新求める 補助制度もリースなし 石垣市

石垣市の胃検診で使われる胃カメラを持つ職員。左のモニターも古い機種になっている=16日午後、市健康福祉センター
石垣市の胃検診で使われる胃カメラを持つ職員。左のモニターも古い機種になっている=16日午後、市健康福祉センター

 石垣市健康福祉センターが胃検診で使用している胃カメラの老朽化が進んでいる。検診には支障がない。今後、故障した場合の修理などの維持管理に費用がかかることが予想されるため、同センターは「早期に更新することが望ましい」と話している。ただ、胃カメラの購入には国や県の補助制度がない上、1式当たりの費用が約1千万円と高額なため、年次的な更新が求められそうだ。

 

 市の胃検診は2002年度に6台の胃カメラでスタートし、昨年度までに延べ約4千人が受診している。しかし胃カメラは、07年度で耐用年数とされる6年に達した。市はその後も使用を続け、10年度に1台が故障。しかし付属品のモニターに接続できる機器が古い機種しかなく、11年度に中古機種を購入した。


 10年度からはリースでも1台を調達し、計7台になったが、すべて耐用年数を過ぎている。特に胃検診のスタート当初から使用している機種5台は、今年度で使用開始から11年が経過する。同センターによると、胃カメラによっては、チューブに亀裂が見つかり、テープでコーティングするなど、今後の故障が懸念される状況になっている。


 胃検診は例年、年間約3カ月実施されている。前底正之所長は「使用頻度が少ないので、単純に胃カメラが消耗しているわけではなく、検診に支障はない。ただ、今後のメンテナンスを考えると、買い替えが望ましい」と話す。

 

 ただ、全国の自治体で胃カメラによる胃検診を実施しているのは石垣市しかない。そのため、国や県からは「胃カメラの購入は補助事業に該当しない」との見解を伝えられているという。先進的な取り組みが、財政的にはあだになった形だ。

 

 市は最新機器のリースも検討しているものの、現在の1台のリースは、メーカー代理店から中古品の購入を条件に提供を受けた特殊なケース。「現在のところ、リースしてもらえる企業も見当たらない」(同センター)という。

 

 胃カメラの最新機器1式は洗浄機とセットで約1千万円。洗浄機を別にしても約800万円かかり、7台すべてを一気に更新するのは難しい。市は今年度の一括交付金で胃カメラの購入を国に要望したが、交付金の条件である「沖縄の特殊事情」に該当しないとして認められなかった。

 

 胃検診は九州大、東邦大から医師を招いて実施している。前底所長は「一流の先生を招き、10年間で23人の胃がんを発見する実績もある。今後も市の胃検診は続けたい」と強調。「検診後に胃カメラのメンテナンスを行い、どうしても買い替えが必要であれば対応したい」と話している。