生徒が家畜に感謝 命の尊さに思いはせ 八重農獣魂祭

嵩田牧場の敷地面積は約7万平方㍍。県内の農林高校の実習施設で最大規模を誇る。手作りの獣魂碑に手を合わせる畜産課の生徒
嵩田牧場の敷地面積は約7万平方㍍。県内の農林高校の実習施設で最大規模を誇る。手作りの獣魂碑に手を合わせる畜産課の生徒

 八重山農林高校伝統の獣魂祭が30日、農高の実習施設「嵩田牧場」であり、畜産科の教員と生徒ら70人余りが出席。家畜へ感謝を捧げるとともに、命の尊さを再確認した。


 八重農が飼育している家畜は和牛と豚、にわとり―で計360頭以上。にわとりを中心に年間300頭余が屠畜(とちく)されており、生徒らが獣魂碑に手を合わせ、命へ思いをはせた。

 

 獣魂祭は八重農開校の1937年以来、毎年、実施。嵩田牧場内に、獣魂碑が建立された91年からは、碑前で畜産科の生徒を中心に祭事が営まれている。

 

 生徒らが手作りした獣魂碑は高さ5㍍、重さ10㌧を超える石垣島産の花崗岩製。祭事で、碑前に供え物を置き、生徒一人ひとりが焼香、手を合わせた。

 

 坂田恭平君(3年)は、3年間でにわとり30羽ほどを自分の手で絞めたという。「自分で育てた生きものを処理するのは、かわいそうで抵抗があった。でも、肉を食べるためには必要な行為。農高に入って、家畜への感謝と命の大切さを教えられた」と振り返った。

 

 宮國優美さん(同)と宮良優麻さん(同)も「獣魂碑に、処理された家畜に感謝を込め手を合わせました。にわとりを絞め、肉を切り分けるのは大変だった。処理を体験してから、どの肉でも感謝しながら食べるようになった」とそれぞれの思いを語った。

 

 獣魂祭は、畜産科の宿泊実習の期間中に行われた。本村博之校長は「獣魂祭を通して、生き物を大切にする心と命に感謝できる心が育ってくれれば」と期待を込めた。