教員の体罰やスポーツ…

 教員の体罰やスポーツ指導者の暴力が社会問題化している。教え子に手を出してしまったのは「体罰は愛のムチ」だと叩き込まれて育った世代だ◆八重山でも30年ほど前は、体罰は当然のように横行していた。小学生5年生の同級生が担任に顔を平手打ちされ、勢いよく後ろに飛んで、壁に頭を打ってぶっ倒れたのを目撃したことがある◆それほどの体罰を受けた理由は、早朝、学校に一番乗りしたのに、教室のドアにカギがかかっていたため、開いていた窓から中に入ったというだけのものだった◆こうした体罰は当時こそ何の問題にもならなかったが、現代の社会通念からは到底許されない。しかし、当時子どもだった教員たちの心の中では「体罰はやむを得ない」という思いが、どこかに巣くっていることだろう。親たちも、どこまでが体罰でどこまでが教育なのか、明確な線引きができず、戸惑うことがあるに違いない◆最も望ましいのは、手を上げなくても子どもたちを畏服させられるだけの教育力を、教員や親や指導者が身につけることだ。現代は「先生」という呼び名が、かつてなく軽くなっている。先生や親が尊敬に値する存在だった時代を「古い」と一蹴するのではなく、むしろ当時の価値観に立ち戻るべきではないか。