中国の古典は、日本人にとって…

 中国の古典は、日本人にとって尽きざる知性の源泉だった。「風林火山」や「戦わずして勝つ」などの名文句でおなじみの兵書「孫子」は、武田信玄ならずとも、多くの日本人が必読書とした◆小泉純一郎元首相は施政方針演説で「孟子」の「天がある人物に大任を与えようとするとき、その人物を大いに苦しめ、試練にさらす」という一節を引用した。小泉氏は5年の在任期間中、何度もこの言葉を噛みしめたに違いない。八重山でも、大浜長照前石垣市長が愛読書に「論語」を挙げていた◆多くの人が文化先進国として憧れた中国。しかし現在、日本人はこの国に、どういうイメージを持つだろう。「世界第2の経済大国」として尊敬のまなざしを向ける人は、ほとんどいないに違いない。「経済力を鼻にかけた傲慢な国」はまだいいほうで、八重山の住民の中には「侵略者」という言葉を思い起こす人も多いだろう◆北京が深刻な大気汚染に苦しんでいるというのに、高い燃料費をかけて監視船を尖閣近海に出没させ、執念深く領海侵入を繰り返す行為は「せこい」の一言。大国の風格など、みじんも感じられない。中国がなぜ、こんな国に変貌してしまったのか。原因は共産主義か、一党独裁か。歴史の教訓としてしっかり考えるべきテーマだろう。