「違法状態の是正を」 義家政務官が竹富町指導 町は疑問視、平行線 八重山教科書問題

 竹富町が八重山採択地区協議会の教科書選定に従わず、東京書籍の公民教科書を採択した問題で、文部科学省の義家弘介政務官が1日、竹富町教委を訪れ、違法状態の是正を指導した。義家氏は「教科書を無償で措置する当たり前の現状に戻してほしい」と、協議会が選定した育鵬社版の採択を求めたが、慶田盛安三教育長、竹盛洋一教育委員長は応じる姿勢を見せなかった。4月の新学期に向け、町教委が今月中に採択をやり直さない場合、文科省が地方教育行政法で定められた「是正要求」に踏み切るかどうかが焦点になる。

義家政務官の指導に反論する慶田盛教育長(右)と竹盛委員長。反対派の住民も詰めかけた=1日午後、町教委
義家政務官の指導に反論する慶田盛教育長(右)と竹盛委員長。反対派の住民も詰めかけた=1日午後、町教委

 文科省の町教委に対する指導と意見交換は公開で行われ、会場にはマスコミのほか、育鵬社版の採択に反対する住民グループ約20人が詰め掛けた。


 義家氏は「歴史上初めて、国から無償措置されていない教科書を20数人の子どもたちが使っている現実について是正を促すため、お邪魔させていただいた」と述べた。
 採択地区(石垣市、竹富町、与那国町)では同一の教科書を使用すべきとする教科書無償措置法のほか、9月16日までに必要な教科書の冊数を文科省に報告するよう求めた教科書発行に関する臨時措置法に、町が協議会の選定と異なる教科書を採択したことによって「違反している」と説明した。


 竹盛委員長は「採択の決定権は教育委員会にある。協議会の答申を守りなさいと言うなら、教育委員会に答申を上げる必要はない」、慶田盛教育長は「調査員が推薦していない教科書が上がってくるのは納得できない」などと文科省の指導を疑問視。両者の主張は平行線をたどった。


 義家氏は、違法状態が放置された現状を「極めて深刻な事態」とした上で「話し合って出された結論(育鵬社版)に、気に食わないから私は従いませんというのでは、民主主義は成立しない」と強く指摘。「どの教科書がどうだと言っているわけでは全くない。大人にはルールを守る責任がある。つけが回るのは子どもたちだ」と重ねて是正を要求した。


 意見交換後、慶田盛教育長は「文科省は(義務教育は無償だとした)憲法の理念を分かっていない」と批判。竹盛委員長は「県に相談する。町教育委員会でも話し合いがあったことは伝える」とした。


 義家氏は県教委にも竹富町への指導を要請した後、那覇市で記者団に「法にのっとった形に直していただきたい」と強調。自ら町教委に出向いた今回の措置を「今までの指導とは次元が違う」として、今月末までに竹富町が指導に従わない場合、地方教育行政法に基づく是正要求も検討するとした。