平久保小 卒業式の幕絵制作続く 「希望持って羽ばたけ」 21日、一人が門出

 石垣市で最も北にあり、児童数7人と最少の平久保小学校で、卒業式に飾る幕絵の制作が続けられている。平久保小の卒業式は3年ぶりで卒業生は一人。制作しているのは、佐賀県から1月、平久保に移住したばかりの画家・伊藤昭久さん。伊藤さんは4日、制作場所にしている体育館で、児童らとともに筆を走らせ、完成へ思いを込めた。1人の大切な門出に児童らの期待が膨らんでいる。

 

伊藤さんは友人の仲立ちで平久保に移住した。友人宅で間借りしながらアトリエを建設中だ。学校の依頼を受け、2週間前から体育館で卒業式の幕絵制作に取り組んでいる。
 幕絵は、縦3・4㍍、横5㍍でキャンバス生地を利用、アクリル絵の具を使い、平久保半島と入道雲、虹を描いた上に、カンムリワシが羽ばたく姿を写実的に表現している。


 入道雲の中に、唯一の卒業生の「夢姫(いぶき)さん」の夢の文字を挿入し、夢の漢字にひらがなの「ありがとう」の隠し文字を含ませる遊び心も。
 「卒業制作は初めて。卒業生が、希望に向かって羽ばたいてくれるよう願いを込めた。平久保の子は素直で感性がいい。一緒に制作することで皆の想い出になれば」と伊藤さん。


 児童7人と教員らが4日、図工の時間に幕絵制作に参加、キャンバスに雲の絵を描いた。伊藤さんは「失敗してもいいから思い切り。いいぞ、いいぞ」などと児童を優しく励ました。
 安和守光校長は「私自身、平久保では初めての卒業式。門出の夢姫さんは、4年生から唯一の最上級生として下級生を引っ張ってきた頑張り屋。いい卒業式になりそうだ」と大きな幕絵を見詰めた。

 

 21日に門出を迎える米盛夢姫さん(6年)も制作をお手伝い。「絵を描くのは大好き。すごい絵ができそう。卒業はちょっぴりさびしいけど、伊原間中に進学したら、バドミントン部に入りたい」と瞳を輝かせた。