EV船を石垣観光に 官民の推進協初会合 14年度に事業化方向性

 

電気で動くため、環境への悪影響が少ないとされるEV船(電気推進船)を観光事業に導入する方法を検討する「石垣観光EV船研究推進協議会」の初会合が5日、石垣港離島ターミナルで開かれた。行政関係者や民間事業者で組織し、2014年度に事業化の方向性を取りまとめる。初会合では事業者から「サンゴを保全する意味でも素晴らしい発想」などとEV船に期待する声が上がった。

 

推進協設置は、県が2012年度から3年間、一括交付金で実施する研究開発事業の一環。委員は9人。
 EV船は東京海洋大が開発を進めており、10年に世界初の実用化に成功した。1月には石垣市でEV船「らいちょうS」のデモ走行が行われている。
 EV船はガソリンなどの燃料を使わないため排気ガスがなく、船に弱い人も乗りやすい。速度は遅いが、騒音や振動が小さいというメリットがある。船の規模は20㌧未満を想定している。


 同大は推進協メンバーにも入っており、大出剛客員教授は「(環境保全の)緊急度が一番高い川平湾から導入したい」との考えを示す。中山義隆市長は、環境に配慮した観光の必要性を強調した上で「実証実験だけに終わらず、必ず事業化して実を取ってほしい」と求めた。


 研究開発事業では、EV船を充電する陸上電源基地や、電力が弱まると自動的に警告する監視システムの整備も進める。電気自動車と共用可能なため、相乗効果でともに普及を図れる可能性がある。今後、推進協で電源基地の整備場所などを検討する。


 推進協に参加した船会社の委員は「サンゴ礁の海を通常の(スクリュー)船で走ると事故の可能性がある。ウォータージェットのEV船なら浅い喫水で走れる」などと事業化に期待感を示した。一方で「どのくらいまでスピードを出せるのか」と速力アップを求める声もあった。


 研究開発事業を受託している株式会社バンダイナムコゲームスの有馬敏夫研究開発センターマネージャーは「EV船を観光ツールとしてどう使いたいか意見を聞き、船体の設計や進水までもっていく作業をしたい。14年度の研究が終わった段階で(試験導入する)EV船は石垣市に置いていくので、そのまま使ってもらいたい」と話した。