「慰安婦慰霊祭」が波紋 自衛隊配備絡み反発 韓国から支援団体も来島

与那国島に掲示された慰霊祭のポスター
与那国島に掲示された慰霊祭のポスター

 1944年、与那国島の久部良港で、米軍の空爆により朝鮮人従軍慰安婦46人が虐殺されたとして「慰霊祭」(主催・同実行委員会)が23日朝、同港内の公園で開かれる。自衛隊配備計画が進む中、反対派を中心に進められた「慰霊祭」開催を、推進派の住民は「配備反対運動の一環」と見ており「朝鮮人慰安婦の虐殺という話は事実ではなく、迷惑だ」と反発。町内に波紋が広がっている。


 慰霊祭は歌手の海勢頭豊さんらが企画し、自衛隊配備に反対する「イソバの会」のメンバーが実行委員長を務めるなど、反対派を中心に運営される。
 実行委によると、44年に朝鮮人従軍慰安婦53人が日本軍によって台湾から宮古島に連行される途中、久部良港の船上で米軍の空爆に遭い、46人が死亡した。この件は、船に同乗していたという宮古島在住の元軍医が県史で執筆しているという。


 海勢頭さんは新聞投稿で「犠牲になった少女たちの恨(ハン)を解き、さまよえる霊魂を生まれ育った故郷へ帰してあげよう」「2度と戦争が起きないよう、その(慰霊祭の)時間に合わせ、沖縄各地から手を合わせてほしい」と呼び掛ける。韓国からも日本に従軍慰安婦問題の解決を迫る団体が与那国入りする予定。
 これに対し、自衛隊配備を推進する町防衛協会(金城信浩会長)は警戒を強めている。金城会長(69)は「島の長老や亡くなった私の父母からも(慰安婦の虐殺の話は)聞いたことがない。与那国島が米軍の爆撃を受けたのは2度だけで、久部良港が爆撃を受けたことはない」と主張する。


 糸数健一町議は「私のところにも多くの町民から電話がある。この時期に開催するのは、自衛隊配備つぶしのためだろう。国外の団体と連携する動きがあることに懸念を感じている。港を使用させる町にも問題がある」と話している。前日の22日夜には「前夜祭」として「アリラン音楽祭」が久部良多目的集会施設で開かれた。