御絵図46点 市文化財に 貢納布を織る図案

文化財指定の喜びを分かち合う新垣委員(後列右)や宮良信世館長(前列中央)ら関係者=石垣市教育委員会
文化財指定の喜びを分かち合う新垣委員(後列右)や宮良信世館長(前列中央)ら関係者=石垣市教育委員会

 石垣市は、琉球王府への貢納布を織るための図案「御絵図(みえず)」46点を文化財に指定、27日、収蔵する八重山博物館に指定書を交付した。

 

 御絵図は琉球王朝時代の18世紀前半には制作されていたとされる和紙製のデザイン見本。台紙に、植物染料や墨で絣(かすり)や縞模様など多彩な模様が描かれている。

 

 当時の織子(女性)が図案を手本に王府への献上品を仕上げた。市文化財審議会は「当時の八重山の織りレベルの高さが分かる。世界的に見ても貴重な資料」としている。

 

石垣市の文化財に指定された御絵図の一部(市教委提供)
石垣市の文化財に指定された御絵図の一部(市教委提供)

 御絵図は、縦4㌢、横4・2㌢から、縦28㌢、横39㌢まで大きさはさまざま。染織家で人間国宝の故鎌倉芳太郎さん=石垣市名誉市民=が1978年、46点を八重山博物館に寄贈した。

 

 現在、海外を含め御絵図は556枚が確認され、うち那覇市が収蔵する368枚は国宝に指定されている。
 市教委であった交付式で、玉津博克教育長は「長い調査研究の末に、市の文化財として指定された。絵図を参考に多くの新たな(染織り)作家が出てくることを期待したい」と述べた。


 市文化財審議委の新垣幸子さん(八重山上布保存会長)は「御絵図で、当時の女性(織子)の技術レベルが驚くほど高いことが分かる。染織りの資料としても世界的に貴重」と指摘。「複雑な図案の貢納布を仕上げることは、当時の女性の誇りだったのでは」と推測している。


 御絵図を収蔵する八重山博物館は、現物が痛みやすいため、写真での公開を検討している。