地方税年間2030万円 防衛省が経済効果提示 陸自部隊配置「地元に還元」 与那国町

防衛省が陸自沿岸監視部隊の配備を計画している与那国町(写真は祖納地区)=2011年
防衛省が陸自沿岸監視部隊の配備を計画している与那国町(写真は祖納地区)=2011年

 与那国町への陸自沿岸監視部隊配備計画を進める防衛省が、隊員が町に納める地方税が年間約2030万円などとする地元への経済効果を試算し、町側に提示していたことが30日までに分かった。基地建設工事の総事業費を約80億円と仮定すると、約20億円が「地元に還元」されるとしている。

 

  沖縄防衛局によると、経済効果は町の求めに応じて本省が試算。今年1月ごろ、町側に提示した。
 ある離島所在部隊(定員約170人)が年間に自治体に納付している地方税額から、町に約100人の部隊が配備された場合の地地方税額を割り出し、約2030万円と試算した。約80億円の基地建設工事が行われれば、工事従事者が島で宿泊、飲食するなどの経済効果が約20億円としている。


 ある陸自駐屯地(約380人)と空自分屯地(約170人)では、食糧費などの契約全体額がそれぞれ2億4000万円、1億7000万円で、9割以上を地元が受注していると説明した。


 隊員の家族が入居する宿舎は、地元の要望に応じ、全体で60戸を祖納、比川地区に分散配置する。町が実施する土木工事も、単純な作業であれば、必要経費のみ町負担で陸自が受託することが可能だとした。


 他の自治体を例に、自衛隊配備による人口の増加を年齢別に試算すると、40~44歳が最多(34人)、次いで45~49歳(20人)、35~39歳(18人)、30~34歳(14人)などとなる。


 基地建設後の年間の来訪者は、他の離島の空自分屯地では年間約600人(2010年)、北海道の陸自沿岸監視部隊が年1回開催しているイベントの来訪者は約250人、部隊配備地を訪れる同省の関係者数は12年9月現在で延べ340人―などとする数字も提示した。


 沖縄防衛局の担当者は「安全保障の任務から配備を推進しているが、住民が経済効果を期待するのは当然だ。自衛隊が来たからすべて解決というわけではないが、補助事業や、地域振興のお手伝いはできると思う」と強調した。


 自衛隊配備計画は、町が現在、同省に10億円を要求しているため、用地交渉が停滞している。


 町防衛協会の与那原繁事務局長は「十分な経済効果」と評価。「協会としては誘致活動を続けることを確認している。4月をめどに防衛省に改めて要請書を提出したい」と話した。


 同町では過疎化が続いており、終戦直後は約1万2000人だった人口が、現在は約1500人に減少。外間守吉町長は地域振興を目的に自衛隊を誘致している。