育鵬社版の採択要請 教科書問題で県教委

 石垣市、竹富町、与那国町の中学公民教科書採択問題で、県教育委員会が東京書籍版の配布準備を進める竹富町に、事実上、石垣市、与那国町と同じ育鵬社版を使うよう求めていたことが1日、分かった。竹富町教育委員会は応じる姿勢を見せていない。


 県教委義務教育課は「育鵬社にしてくれとは言えないが、同一の教科書にしてほしいということで協議を進めている」と説明。竹富町の反応がないため「今後の動きがない限り、県も動ける状況にない」としている。


 県教委などによると、3月30日に県教委幹部が町教育委員と協議。育鵬社版への一本化と併せ、東京書籍版を副読本にする案も示した。しかし町は拒否したと見られ、県教委は「選択肢の一つだったが、現在はなくなっている」としている。
 竹富町教委によると、1日には教科書問題に関する教育委員の話し合いはなかった。今後も話し合いの具体的な日程は決まっていないという。


 教科書無償措置法は採択地区内では同一の教科書を使うよう定めており、文部科学省の義家弘介政務官は3月1日、八重山採択地区協議会が選んだ育鵬社版を使うよう竹富町を指導していた。県教委幹部は共同通信の取材に「政務官の指導は重い。事態が悪化するのは避けたい」と話した。


 ただ慶田盛安三竹富町教育長は「30日の協議では、県から具体的な指導はなかった」と述べ、2013年度も寄付金で東京書籍版を購入し生徒に配る方針は変えないと強調。県教委幹部は「一義的には竹富町の判断だが、協議を続けていく」としている。県教委は3月31日付で大城浩前教育長が退任。前県立総合教育センターの諸見里明氏が新教育長に就任し、教科書問題への今後の対応が注目されている。