与那国自衛隊配備問題 「迷惑料」の波紋③ 国境のサムライたち

2008年9月、町民514人の署名を持って外間町長に自衛隊誘致を要請する町防衛協会のメンバー
2008年9月、町民514人の署名を持って外間町長に自衛隊誘致を要請する町防衛協会のメンバー

 「外間守吉町長の行為は、われわれ協会を裏切ることはもとより、国を裏切る行為」
 「国境の島として、日本人として、領土を守り国民を守るのは当然の務めだ」
 3月27日、与那国町防衛協会(金城信浩会長)のホームページに、赤色の大文字が踊った。
 町が「迷惑料」10億円を防衛省に要求したことに、自衛隊誘致を推進してきた同協会からは憤激の声が相次いでいる。町防衛協会の有志たちは、国境の島である与那国に生まれ、島を愛し、島に住み続けることに誇りを持っている、いわば「国境のサムライ」たちだ。
 ▽中国の脅威
 自衛隊誘致運動を進めてきた与那原繁事務局長(50)は常々、外間町長が安全保障について語らないことを「おかしい」と感じていた。
 町長を支え、誘致を円滑に進めるために、これまではあえて口を挟まなかったという。しかし町長の「迷惑料発言」で局面が変わった。
 「与那国の人は経済効果だけなのかと言われるたびに腹立たしい思いをしてきた。島を守るのが第一で、経済効果は二の次だ」。与那原事務局長は「声を上げる」決意を固めている。
 同協会は2007年1月に設立され、現在の会員数は約80人(島外の会員2人含む)。翌08年9月に町議会は自衛隊誘致決議を可決し、09年6月には防衛省に要請活動する。同協会は誘致を推進する民間の母体として町や町議会と連携してきた。
 与那国島と尖閣諸島の距離は約150㌔。現在、尖閣を狙う中国の動きは活発化の一途をたどっており、与那国島にも直接的な脅威になっているという思いがある。