サンゴ礁の回復力が低下 赤土汚染の影響

赤土汚染によってガレ場になってしまったミドリイシサンゴの群落(資料写真)
赤土汚染によってガレ場になってしまったミドリイシサンゴの群落(資料写真)

 琉球大学理学部の本郷宙軌教授と、国立環境研究所生物多様性保全計画研究室長の山野博哉氏は、このほど赤土汚染等の影響によって、沖縄本島のサンゴ礁の回復力が低下していることが明らかになったとして、国際学術誌「PLoS ONE」に論文を発表した。


 サンゴ礁は水温上昇など全地球規模の気候変動の影響と、陸域からの土砂流出などの地域規模の影響の両方を受けて、急速に衰退している。しかし今まで気候変動と陸域からの両方の影響とサンゴ礁の変化との関係を立証した研究はなかった。


 今回の研究は1995年から2009年までのデータを解析し、その両方の因果関係を明らかにしたもので、沖縄本島では陸域からの赤土の影響は気候変動による高水温の影響と複合的に作用し、特にミドリイシ系の抵抗力と回復力とが低下している事が実証されたという。


 本郷教授によると、「陸域の赤土流出を改善すれば、サンゴ礁に対する気候変動の影響を緩和する可能性もある。しかし、赤土流出が改善されない場合には、いくらその場所にサンゴを移植しても無駄になってしまう」と警鐘を鳴らしている。