与那国自衛隊問題 「迷惑料」の波紋④ 反対派が町長を激励

2008年9月、町民514人の署名を持って外間町長に自衛隊誘致を要請する町防衛協会のメンバー
2008年9月、町民514人の署名を持って外間町長に自衛隊誘致を要請する町防衛協会のメンバー

 与那国島周辺を中国艦が堂々と通過したり、尖閣周辺で石垣島の漁船が中国公船に追跡される事態も起きるようになった。
 与那原事務局長は「防衛協会を立ち上げた時から、中国の進出に危機感を持っていた。尖閣問題は何年も前から予期していたこと」と指摘。「中国から見ると、沖縄本島以南では、このへん(先島諸島)が一番手薄だ。与那国島では2人の駐在が2丁のけん銃で島を守っているだけで、攻められたらひとたまりもない」と自衛隊配備の必要性を強調する。
 ▽国民の矜持
 糸数健一副会長(町議)は09年5月、町長、誘致派の町議、金城会長らとともに初めて防衛省を訪れた時、同省幹部が「この瞬間を待っていました」と感慨深げに漏らしたことが忘れられない。
 「国は配備の必要性を感じていたが、こういうご時世だから住民の頭越しにはできず、ずっと耐えていた。そこへわれわれから『与那国を空白地帯にするな』と要請してくれたという思いがあったのだろう。われわれは、国に無理やり動かされたということは全くない」。
 そんな糸数氏にとって「迷惑料発言」は心外の極みだった。3月議会の一般質問では「新聞だけでなく、ネットでも与那国町は袋叩きにあっている。悲しいですよ。きょうにでも撤回してほしい」と迫った。
 外間町長は「迷惑料ではなく、市町村協力費という形でお願いする」と述べただけで、10億円要求の撤回には応じなかった。
 人口が年々減少し、観光や農業も伸び悩む厳しい状況の島に住み続けることには覚悟がいる。無人島化したことで領有権争いが持ち上がった尖閣を引き合いに「人が住み続けているから島が守られている」と、町の10億円要求に理解を示す声もある。
 しかし糸数氏は「私たちは町民、日本国民としての矜持を持っている。貧乏に耐えて島を出て行かず、島を守っている。世の中、きれいごとでは済まないかも分からないが、これは非常に大切なことだ」と指摘。「目先の10億にこだわる必要はない」と訴える。(つづく)