井上和彦氏インタビュー 外間町長「誤った判断」 自衛隊 与那国頓挫で石垣に注目

自衛隊の石垣配備の必要性を語る井上氏=3日
自衛隊の石垣配備の必要性を語る井上氏=3日

 与那国町への陸上自衛隊配備をめぐり、外間守吉町長が「迷惑料」10億円を要求したことで、自衛隊配備計画が頓挫していることを受け、地元の反応を調査するために、ジャーナリストの井上和彦氏が石垣入りしている。八重山日報社は3日、自衛隊や国境警備の問題についてインタビューした。


 ―外間町長の10億円要求への感想は。
 「公印を押して自衛隊配備を要請した首長の『迷惑料』発言は、沖縄全体にとってもマイナスイメージ。安全保障は国の専権事項で、町長ひとりの判断が八重山ばかりか国全体の安全を脅かす事になってはいけない。誤った判断だ」


 ―自衛隊の配備は本当に八重山に必要か。
 「与那国の件で最も注目されるようになるのは石垣。島々のネットワークの中心で、発電、通信、空港などインフラ整備が最も進んでいる石垣にこそ自衛隊は絶対必要で、対中国との戦略の要衝。石垣なくして沖縄の防衛は成り立たない。鹿児島の南端から与那国までの距離は本州とほぼ同じ長さ、その範囲を守っているのは、那覇に配置されている第15旅団の2100人だけ。こんな規模では広い海域は守れない。日本は戦争を放棄しているが、戦争は日本を放棄していない」


 ―尖閣の防衛をどう思うか。
 「これまで、尖閣を実行支配してきたのは、八重山の漁民のみなさんで、海上保安庁に政府が甘えている。中国艦船の自衛艦へのレーザー照射は、自衛隊だから感知できた。海保の船に感知能力はない。国が海保に危険なことを課している状況。自衛隊の退役艦を海保で使用したり、海自退役者を海保に役立てる方法もあり、もっと漁民のみなさんや島民を守らなければならない。それには、海難事故救難飛行艇『US―2』の配備が望ましい」


 ―US―2とは、どんな機材なのか。
 「世界最高峰の国産水陸両用飛行機で、海上自衛隊に7機配備されている。底原ダムにも着水でき、尖閣での海難救助に有利、急患搬送にも使え空港のない島々で、災害時の人命救助や復旧に能力を発揮するだろう。小笠原諸島のために、厚木基地に配備され、これまで800人を超える人の救助に役立っている」


 ―自衛隊配備に強く反対している人たちの存在をどう思うか
 「軍事はイデオロギーを排し、客観的に見るべき。自衛隊反対の人たちは、中国がやってきたとき初めて(自衛隊の必要性に)気づくだろう」。