与那国自衛隊問題 「迷惑料」の波紋⑥ 反対派が町長を激励

2011年11月、防衛省が開いた自衛隊配備の住民説明会に合わせ、会場の外で反対を訴える住民(島仲公民館)
2011年11月、防衛省が開いた自衛隊配備の住民説明会に合わせ、会場の外で反対を訴える住民(島仲公民館)


 地元との意思疎通を綿密にするため、沖縄防衛局は2012年6月、町内に「連絡所」を設置し、職員を常駐させた。
 同省はまた、今年に入り、100人規模の沿岸監視部隊が配備された場合、町に納付される地方税は2030万円増になるなどとした経済効果の推計をまとめ、町側に提示。しかし経済効果だけで配備計画を語ると、住民の理解が得にくくなる可能性を指摘する声もある。
 ▽空文化
 町が2005年に策定した「自立ビジョン」。町を国境交流特区とし、隣国台湾との交流促進で経済的自立を勝ち取ろうとするものだ。しかし特区は国に認められず、台湾との交流は停滞。自立ビジョンは空文化している。
 町内では、台湾との交流の現実性に疑問を投げかける声も出始めた。しかし当時の担当職員だった田里町議は、現在でも自立ビジョンの実現にこだわりを持っている。
 「国際交流の中に、この島が生きるすべがある。我々は自立ビジョンを持っている。与那国の地理的特性をうまく使うべきだ。自衛隊基地では、町長が求めている地域振興はならない」
 南牧場の町有地が自衛隊配備の候補地に挙がっていることについては「この土地を使って島の課題解決や活性化に役立てるべきだ。基地を造ったら100年変わらない」と訴える。
 自衛隊配備の反対運動は現在でも活発で、主要マスコミも「民意の集約が不十分」などと反対の論陣を張っている。復帰40周年を迎えた2012年5月6日には、県内各地から労組関係者が集結。自衛隊配備に反対する「平和行進」を行い「平和な島に基地はいらない」(与那国改革会議の崎原正吉)などと訴え、内外にインパクトを与えた。
 8月の町長選は再び自衛隊配備の是非が最大の争点に。最近の町長選、町議選は誘致派が勝利しているが、防衛省と町の用地交渉が停滞を続ければ、反対派が勢いづく可能性もある。(終)(仲新城誠)