これまで尖閣を実効支配…

 「これまで尖閣を実効支配してきたのは八重山の漁民の皆さん」4日付けの本紙に掲載した軍事ジャーナリストの井上和彦氏へのインタビューでの氏の発言。筆者はその言葉に「ハッ」とした◆これまで、海上保安庁が巡視船を配備して中国公船の尖閣周辺への領海侵入を阻止していることに多くの人が注目して来ただろう。その阻止行動も完全ではなく幾度が領海への侵入を許し、常態化しつつあることに不安を募らせている◆尖閣諸島に関係しない国々が、漁民の操業以外で尖閣の実効支配の現状を見ると、互いの国が自国の公船を繰り出して領有を主張し合っているだけに見えないだろうか。尖閣問題に関心の薄い国際社会にどのように印象付けできているのか不明である◆客観的に尖閣の状況をみると、限られた一部の漁民ではあるが、漁を続けていることが唯一、日本と中国との尖閣支配の違いとなってしまっている。過去には日本人が居住し、経済活動を行っていたことを思い返すと、現在では、明らかに中国のペースで事が進んでいる◆八重山の漁民が安心して尖閣周辺での操業を行えるインフラやシステムを整備し、多くの漁民の操業を促すことこそが、国際社会へ実効支配をアピールする手段になると思うのだが。