「フライト農業」へ実証実験 午前中に出荷→午後に東京で販売 5、8月にも計画

新空港の開港に合わせて3月7日、銀座わしたショップで、石垣島野菜工場のサニーレタスなどが買い物客に配布された(仲間商店提供)
新空港の開港に合わせて3月7日、銀座わしたショップで、石垣島野菜工場のサニーレタスなどが買い物客に配布された(仲間商店提供)

 3月に開港した新石垣空港の東京直行便を活用し、午前中に出荷した農産物を、午後に東京で販売する実証実験に、株式会社仲間商店(石垣市浜崎町、仲間重昭代表取締役)の「石垣島野菜工場」が取り組んでいる。開港日の3月7日にサニーレタスなどを輸送し、銀座のわしたショップ前で無料配布したほか、5月には水産物、8月にはパイン、マンゴーの輸送を計画している。地元農家の夢である「フライト農業」の先駆けとして注目されそうだ。

 

 「野菜工場」は昨年8月、市内石垣のハウスを利用して設置され、同商店によると1日当たり約20㌔のサニーレタスをコンビニやJAのファーマーズマーケットに出荷している。


 3月7日の新空港開港に合わせ、市など関係機関・団体と連携して特産品輸送の実証実験を計画。サニーレタス約20㌔とラン100本、新空港をPRする印刷物などを石垣市から東京直行便で輸送した。


 日本トランスオーシャン航空(JTA)の便で午前10時40分に出発。午後1時半に羽田空港に到着後、運送会社の車で銀座わしたショップへ運び、最終的な到着は「予測よりはるかに早い」(仲間商店)午後2時40分だった。
 無料配布は好評で、1時間ほどで終了したという。


 ただ、サニーレタスは鮮度を保つため冷蔵で輸送する必要があり、箱に氷を入れるため輸送コストがはね上がった。仲間商店によると輸送料は約4万9千円。適正な価格設定をして東京で販売するためには「3万円を切らないと厳しい」としており、今後の課題になった。


 実証実験は今後も続ける計画で、現在、漁業者や農家などと調整している。森戸大和営業部長は「直行便で特産品が輸送できたことを関係機関に感謝したい。実証実験は1回だけでなく今後も回数を重ね、東京で石垣島をアピールしたい。販路を拡大するには、加工業者などの協力も必要になる」と話した。


 実証実験には、仲間商店のほかココストア各店舗でつくる「八重山まちの駅ネットワーク」も協力した。
 新空港開港で「フライト農業」が現実味を帯びてきたとされるが、現状では地元生産者の生産力不足や販路の未開拓が課題に挙げられている。