八重山教科書問題で…

 八重山教科書問題でマスコミの激しいバッシングを浴びた玉津博克・石垣市教育長に、先月、沖縄市に住む60代の男性から手紙が届いた。2年前、報道を読んで憤り、玉津氏に「万死に値する」という抗議文を送ったという◆しかし教科書問題をきっかけに歴史を勉強し直し「戦後の『左翼自虐史観』に自分もどっぷり浸かっていた」と気づく。そのころ、本社記者が執筆した「国境の島の『反日』教科書キャンペーン」(産経新聞出版)で、自らが玉津氏に送った抗議文が紹介されているのを知り「玉津氏への失礼を思い出し、お詫びを兼ねて」手紙を送った◆「私は一方的にあなたを非難しました。申し訳ありませんでした」と謝罪。「改革ご苦労さまでした。お身体ご自愛下さい」と結んでいる。玉津氏は男性について「60歳近くになって考えを変えられるのは、大したこと」と驚く◆2年前には「県民の敵」扱いされた玉津氏だが、県内でさえ、こうした再評価の動きが始まっている。県外ではすでに「改革者」としての評価が定着しつつある◆人間の評価とは、一定の時間が経ったり、場所が異なったりすれば、こうも逆転してくるのである。八重山教科書問題が住民にとって、興味の尽きぬ絶好の「教材」になったことは間違いない。