
14日午前9時10分ごろ、石垣島トライアスロン大会遊泳コースの登野城漁港で、競技中の男性が心肺停止状態で見つかった。男性は陸に引き上げられ、県立八重山病院に搬送されたものの、午後12時11分ごろ、死亡が確認された。石垣海上保安部で死因などを調査している。
同大会実行委などによると、男性は福岡県の国家公務員、天本祐介さん(41)。スイム、バイク、ランを1人でこなすエイジ部門に出場し、スイムを午前8時21分にスタート。
ゴール前30㍍の地点で、競技用に張られたロープに片腕をかけ、体が水中に浸かった状態で意識不明になっているのを別の選手が発見、審判員に通報した。天本さんは、タイムから推測してスイムの2周目だった可能性が高い。
天本さんは福岡県トライアスロン連合に所属しており、ベテランの選手だったと見られる。友人と2人で来島し、同大会には今年で3回目の出場だったという。
「大会運営は問題なし」 実行委、会見で説明
石垣島トライアスロン大会の歴史上、初めて競技者が死亡する事態が発生した。14日、大浜信泉記念館で開かれた記者会見で、実行委員会メンバーはいずれも表情が硬く、衝撃を隠せない様子だった。しかし大会の運営については「監視体制はしっかりできていた」(大会長の中山義隆市長)、「全国でも有数の監視体制」(日本トライアスロン連合の大塚眞一郎専務理事)などと、問題がなかったとの認識を強調した。
実行委によると、大会では水上、陸上に総勢156人の監視体制を敷いた。大塚専務理事は「マンパワーもかけており、運営面では非常に安心できる。コース設定としては十分な内容だった」と話す。
今大会では気温が低下していたため、選手の低体温症が危惧されたが、ほかに懸念事項はなく、港内の潮流などについても事前に選手に説明していたという。
競技者の死亡原因は調査中。中山市長は「大変残念。亡くなられたご本人のご冥福を心よりお祈りし、ご家族の皆さまに衷心よりお悔やみ申し上げます」と述べた。