陸自配備計画暗礁に 外間氏、事実上の引責か

 【解説】8月の与那国町長選で、外間守吉町長が出馬を断念する見通しになった。「10億円要求」で陸上自衛隊沿岸監視隊の配備計画が暗礁に乗り上げる中、事実上の引責という意味合いが強い。8月の任期満了までに外間氏が防衛省との用地交渉に応じるかどうかが今後の焦点になる。


 外間氏はすでに昨年から周囲に不出馬を示唆。また、沿岸監視隊基地建設予定地の町有地「南牧場」の測量許可を、権利関係の未整理などを理由に保留にした。支持者からは「自衛隊誘致への積極姿勢が見えない」と懸念の声が上がっていた。


 町議会3月定例会では、町長選に出馬する条件として与党と町内保守層の支持を挙げたが、出馬への強い意欲は感じられなかった。「10億円要求」が受け入れられない場合、続投しない方針をすでに固めていた可能性がある。


 10億円要求を受け、外間氏の支持母体の一つである町防衛協会はホームページで「ごまかしとゆすり、たかりを行っているのが外間町長」と激しく非難。
 与党内にはなお、外間氏の出馬を求める声があるものの、出馬の条件とした保守層の支持はすでに一角が崩れている。


 町長選の結果が自衛隊配備計画を大きく左右するのは必至。配備反対派が勝利し、計画が白紙に戻った場合、地域振興策の要望など、町が防衛省との共同作業で積み上げてきた成果が瓦解しかねない。


 関係者の1人は「最悪の事態は、外間氏が用地交渉を妥結させないまま退任し、町長選を迎えることだ」と指摘する。早期の配備実現に向け、外間氏の「決断」を求める声が強まりそうだ。