台湾漁船 活動活発化 マグロ好漁場で目撃 協定発効で「操業自由」に

 日台漁業協定で日台双方が操業可能になる石垣島北方のマグロの好漁場で、協定発効前からすでに台湾漁船の活動が活発化していることが30日、地元漁業者などの話で分かった。漁業者は「見える範囲で10隻以上いた」と話しており、周辺海域での操業を断念。別の海域に移動した。今月10日の協定発効後は、周辺海域で台湾漁船の操業が確認された場合でも「取締船は何もできなくなる」(沖縄総合事務局農林水産部林務水産課)ため、台湾漁船と地元漁船のトラブルが発生する恐れがある。

 

 マグロの好漁場は、石垣島北方で台湾側が一方的に設定した「暫定執法線」を超え、協定で双方の操業が認められた逆三角形の海域。
 従来は水産庁の取締船が台湾漁船を取り締まっていたが、協定では双方が関連法令を相手に適用しない「法令適用除外水域」とされた。


 八重山漁協のマグロはえ縄船「萌丸」(11㌧)で操業する高橋拓也さん(41)によると、4月28日午前1時ごろ、周辺海域で10隻以上の台湾漁船を目撃。「尖閣までつながって操業していたとすると、30隻くらいいた可能性がある」と話す。
 「はえ縄を入れると、1日で台湾漁船にずたずたに切られてしまう。操業は無理だ」と判断し、周辺海域を離れたという。


 高橋さんは「操業できる漁場が半分になってしまい、もう最悪だ。現場を全然知らない人が勝手に決めた協定で、地元が泣き寝入りするのか」と憤慨。「協定を撤回して、3月以前の状態に戻してほしい」と求めた。
 漁業者からは、マグロの漁獲高の4割以上が逆三角形の海域に依存していると指摘する声もある。


 漁業者からの通報を受け、取締船は同日夕、周辺海域に急行。沖縄総合事務局林務水産課は「台湾漁船はレーダーに5~6隻に写っており、実際に取締船が見たのは3隻」としている。
 台湾漁船の操業は確認されなかったため「無害通航」と判断して退去警告などは行っていない。


 同課は「5~7月はマグロのシーズンなので漁船が増えるのは当然予想されるが、現在のところ、台湾漁船が大挙して押し寄せている状況ではない」としている。