沖縄戦の特攻第1号…

 沖縄戦の特攻第1号として故郷・石垣島から出撃し、米軍空母に体当たりを敢行した伊舍堂用久中佐(戦死時大尉、二階級特進)の顕彰碑が、終戦記念日をめどに建立される。中佐の再評価につながる取り組みとして歓迎したい◆士官学校の同期だった故・又吉康助氏が24年前に中佐の伝記「千尋の海」を出版している。中佐の戦果は当時の全国紙やラジオで大々的に報じられ、国民に大きな感銘を与えたことが記されている◆しかし特攻隊は、戦後教育で戦争の犠牲者という扱いを受けた。地元石垣市でも、中佐の業績は学校でほとんど教えられていない。現在の若い世代で中佐を知っている人はほとんどいないだろう。過去2回石垣市で開かれた遺品展で、ようやく知名度が上がってきたようだ◆上原氏の伝記では、中佐の戦死の章に「悠久の大義に生きる」というタイトルをつけた。特攻隊の犠牲の上に、現在の平和と繁栄が築かれたことはまぎれもない。中佐たちは文字通り、悠久の大義に生きている◆琉球王国に反旗を翻したオヤケアカハチが郷土の英雄であり、現在も多くの住民に慕われているように、中佐もまた郷土の英雄だ。住民がこうした認識を共有できる時代を作らなくてはいけない。顕彰碑の建立が、その第一歩になってほしい。