「八重山の海が危ない」 日台協定、一本釣りにも影響 台湾漁船の不法操業で 資源管理の海荒らす

一本釣り漁への影響を訴える名嘉秀三さん=16日
一本釣り漁への影響を訴える名嘉秀三さん=16日

 日台漁業協定により、八重山のマグロ漁への被害がクローズアップされるなか、高級魚のマチ類の漁場にも台湾漁船が出没し、漁業への影響が出ていることが16日、地元の漁業者の話しで分かった。台湾漁船の操業が目撃されているのは、与那国島の南側海域にある中ノ曽根と波照間島南西側の沖中ノ曽根など。特に沖中ノ曽根はマチ類の資源回復のため、禁漁期間が設けられている魚場でもあることから、台湾漁船の不法操業に一本釣り漁船ZENKOUMARUⅡ(ゼンコウマル・ツー、4・9トン)の名嘉秀三船長(49)は、「資源管理の意味がない。このままでは漁業資源の枯渇を招く」と指摘。「日台漁業協定には絶対に反対だ」と、語気を強めた。

 中ノ曽根と沖中ノ曽根は、アカマチ(ハマダイ)やクルキンマチ(ヒメダイ)など県内でも需要の高い高級魚の1級魚場で、最も重要な場所。特にこの時期からは、アカマチが産卵期に入り、大漁が見込める時期。一本釣り漁業者にとっては、書き入れ時だという。


 名嘉さんによると、一本釣り漁場に台湾船が出没するようになったのは4月。「漁業協定の話が出たとたんに姿を現すようになった。悪びれた様子もなく漁場を荒らす」と憤る。


 沖中ノ曽根は、マチ類の資源回復のため、2010年までの5年間、一切の漁が禁じられたあと、毎年11月から3月の間を保護期間としているだけに、台湾漁船の不法操業に意気消沈。


 「波照間島周辺の海域で操業する際に夜間、集魚灯が沖中ノ曽根周辺に見えた。自分は3隻の集魚灯を確認している。あれは台湾漁船だ」と話す。


 保護期間を終えた後、沖中ノ曽根で操業した名嘉さんは「禁漁期間を終えたばかりなのに魚がいない。台湾漁船が魚場を荒らしていては、資源管理の意味がない。現在は、多良間島近くの多良間曽根に魚場を移した」と、漁業規則の通用しない相手の無法ぶりに怒りを表す。


 水産庁や海上保安庁の監視船に対して「マグロ漁に集中し過ぎている。ほかの魚場にも監視の目を強化してほしい。このままでは八重山の海が危ない、子や孫に残す海がなくなる」と訴え、監視体制の更なる強化を訴えた。