陸自配備の連絡所撤収 防衛相、再協議には前向き 「地域振興に精一杯努力」 与那国町

 防衛省は21日までに、陸上自衛隊の沿岸監視部隊配置に向けて与那国町に設置していた連絡事務所を撤収した。外間守吉町長の10億円要求で、配備計画が厳しい局面を迎えている現状が改めて浮き彫りになった。これに対し外間町長は10億円要求を取り下げ、町に対する別の優遇策を求める方針を固めている。小野寺五典防衛相は21日の記者会見で「正式に話があれば、地域振興という形で、精一杯努力したい」と町側との協議再開に前向きな姿勢を示した。

 

 防衛省の連絡事務所は、2012年度以降に予定されていた用地取得などの諸作業に向けて昨年設置され、沖縄防衛局職員らが配置されていた。


 しかし外間町長の「迷惑料」発言と10億円要求を受け、4月以降、職員を事実上引き揚げ、20日には建物の賃借契約も切れた。同省関係者は「町長が10億円にこだわる限りは、積極的な交渉は控えざるを得ない」との見通しを示した。


 町防衛協会の関係者は「連絡事務所が町内に設置されているだけでも経済効果があった。撤収は残念」と肩を落とす。


 10億円要求に代わり、交付税などで町に優遇措置を求める「解決案」は与党を中心に調整が進み、前西原武三町議会議長に取り扱いが一任されている。


 「解決案」は、外間町長の町長選出馬に向けた与党側の「地ならし」との見方が強い。前西原議長は近く防衛省に出向き「解決案」を正式に提示する予定。
 小野寺防衛相は21日の記者会見で「まだ正式に話はない」とした上で「そのような方針にされたということであれば、私どもとしてお話を聞きたい。そのような場をぜひ作っていただきたい」と強調した。


 外間町長や前西原議長と直接面会する可能性については「省内で検討する。常にていねいに説明し、理解を得る努力をしたい」と述べるにとどめた。


 陸自配備の必要性については「南西地域の防衛は大変重要。この地域に対する安全保障環境のために、自衛隊の配備も含めて検討したい」との考えを示した。