八重山で猛威を振るった…

八重山で猛威を振るった台風7号。なぎ倒された木々や横転した車に、暴風の凄まじさを実感する◆停電にも往生させられた。われわれは、いかに電気に依存して暮らしていることか。突然暗闇に取り残されると、文字通り一寸先も見えない。慌てふためいて懐中電灯を探すと、何かにつまずいて転倒する。立ち上がろうと手をばたばたさせ、目をぱちぱちさせても闇ばかり◆電気が戻り、周囲がぱっと明るくなる。ほっとする。かつては「辺境の地」だった離島の離島まで、電気や水道などのインフラが完備されていることの有り難さを思わずにはいられない。どれほどの先人たちが、今日のこの便利な暮らしのために汗したのだろうと◆もしこれが日本でなければ―たとえばアジアの独裁国家のように、農村部と都市部の格差が著しい国であれば「辺境の地」の住民など、掘っ立て小屋のようなところで暴風雨をしのがなくてはならなかっただろう。日本人であることにも感謝する◆自然の力に対する謙虚さも学ぶ。一つの文明ですら、大地震や大津波で簡単に滅んでしまう。台風はいわば小手調べに過ぎない。文明と称して自然に暴力を加え、得意になっていても、自然がちょっと本気を出せば、人間など右往左往するばかりだ。