安倍首相の石垣入りは…

 安倍首相の石垣入りは、その日の中国国営放送ではトップニュース。石垣島を「沖縄本島から400㌔、釣魚島(尖閣諸島の中国名)から200㌔のところにある」と紹介し、中国、石垣島、尖閣の位置関係を示す地図を画面に映し出した◆首相が尖閣問題で譲歩しないと表明したことについて「隣国を刺激するという憂慮の声が出ている」「釣魚島は中国固有の領土」などと批判した◆愕然とするのは、新石垣空港が開港し「アジアの玄関口」として発展を期すわが石垣島を「釣魚島の近くにある島」としか形容しない中国の報道のいびつさだ。しかもアナウンサーは「(石垣島の海域は)中国海軍が太平洋に向かうとき、必ず通るところだ」と、こともなげに言い放った◆さらに日本の参院選について「右翼的な発言をする人が票を取るという奇怪な状況になっている」「(日本が)領土問題で強硬な姿勢を崩さない背景には、長引く経済の低迷がある」などと解説。こんな悪意ある報道も、日中友好の妨げになっている◆一方、八重山の住民は、地元でありながら尖閣に対する関心が薄い。領海侵犯も他人事だ。参院選でほとんど争点になっていない現状が、そのことを物語る。熱過ぎる中国と、冷え過ぎる八重山のギャップも、何だか気がかりだ。