伊舍堂用久中佐と隊員の…

 伊舍堂用久中佐と隊員の顕彰碑除幕式が始まろうというころ、突然強い風雨が吹き荒れ始めた。テントが吹き飛ばされるのではと慌てた関係者が、しがみついて抑えるほどだった。除幕式では関係者が、伊舍堂中佐たちに「千尋の海で安らかに」と呼び掛けたが、中佐たちの魂は、とても安らいでなどいられないのだろう◆68年前、自らの命をなげうって守ろうとした故郷の海は、今、再び他国に踏み荒らされている。突然の嵐は中佐たちの怒りであり、嘆きであっただろう。八重山の住民に、尖閣の現状を直視するよう訴えているのだ◆反戦平和運動が盛んで、特攻隊についてほとんど教えてこなかった沖縄で、顕彰碑が除幕される意義は大きい。碑文には、特攻隊が郷土と国を愛するという「悠久の大義」に生きていることが明記されている。特攻隊の犠牲を犬死のように言う、一部の風潮に対する鋭い警鐘になるだろう◆また、尖閣が中国に脅かされているタイミングでの建立であることも見逃せない。領土を守る気概とは何か、住民が改めて考える機会になるだろう◆それにしても顕彰碑が建立された場所は風光明媚だ。広がる青い海が思索をかきたてる。平和学習の新たな拠点として、島内外から多くの人たちが訪れることを望みたい。