水産業者への振興策を ~尖閣国有化1年に思う~ 砥板 芳行

 9月11日で、尖閣諸島主要3島が国有化され1年となりました。
 9月10日、中国海警局の船8隻が尖閣諸島の領海内に侵入し、国有化1年目という節目に示威行動を起しました。


 一方で、自民党青年局長の小泉進次郎衆議院議員が過去に例のない最大規模となる33名もの国会議員や100名近い地方議員を率いて台湾を訪問し、台湾の馬英九総統や李登輝元総統と会談を行い、東日本大震災で最大規模の支援を台湾が行なったことへの感謝を伝え、尖閣諸島についても意見交換を行ないました。


 中国は、自国を維持するために必要と見なす最重要の利益として『核心的利益』という文言を用います。
 近年は、台湾やチベット・ウィグル同様に尖閣諸島も核心的利益であると明言するようになりましたが、正確には、核心的利益である台湾の延長線上に尖閣諸島があるということであり、尖閣諸島国有化1年目となるこの時期に、自民党青年局長で国政への影響力の高い小泉進次郎衆議院議員と大勢の国会議員や地方議員が台湾を訪れ、馬英九総統と会談した意義はとても大きいと思います。


 しかしながら、尖閣諸島の台中合作分断を成功させた外交戦略上の日台漁業協定で、尖閣諸島周辺海域の良好な漁場での台湾の漁業者の操業を公式に認める形となった、広範囲の法令適用除外水域及び大きく譲歩した特別協力水域の設定で、八重山の漁業者は大きな損失を被る事となり、国有化以降完全に尖閣諸島周辺海域の漁場における経済的実効支配は失われ、八重山の漁業者には充分な補償と台湾側との操業ルールづくりがなされていません。


 また、冒頭で尖閣諸島主要3島が国有化され1年と書きましたが、魚釣島東北22kmの位置にあり、尖閣諸島の中で人が最も居住しやすい環境と言われている久場島は、未だ民間人所有のままです。
 国有化した際の政府の目的であった『平穏かつ安定的な維持管理』という観点から言うと、久場島の所有権及び管理のあり方にも課題が残されています。


 尖閣諸島主要3島の国有化以降、我が国は防戦一方であり、実効・有効支配が形骸化しつつある状況の中、世界中の目がこれまで以上に日本に注がれている今こそ、政府は、我が国の領有権の正当性を国際社会に訴えるべきであり、外交戦略上の犠牲となった八重山の水産業者に対し、しっかりと水産業の振興策を講じていかなければならないと思います。
    (石垣市議会議員)