大型の台風18号は…

 大型の台風18号は17日、列島を縦断し、近畿地方を中心に大きな被害をもたらした。台風被害というと昔は沖縄にばかり集中したイメージがある。台風シーズンに八重山で足止めされた本土の観光客は「初めて台風を見た」と驚いていたものだが、最近の台風は本土にも普通に上陸するようだ◆かつて台風が沖縄に上陸したくらいではほとんど報じなかった全国紙や全国ネットのテレビも、列島縦断となるとトップニュースの扱い。台風の恐ろしさが、本土の人たちにもようやく理解されるようになったようだ◆台風となると一番困るのが停電だ。夜、にわかに周囲が真っ暗になると何をしていいやら分からず、迷子のような気持になる。人間の生活が、いかに電力に依存しているか思い知らされる◆国内で唯一稼働していた関西電力大飯原発4号機が15日に発電を停止し、日本は1年2カ月ぶりに「原発ゼロ」になった。電力供給のあり方について再考するいいチャンスだろう◆原子力を活用する技術そのものは科学の進歩であり、善でも悪でもない。原発を悪と称し「原発ゼロ」を錦の御旗に科学の進歩を抑え込もうというのは暗黒時代の考え方だ。そこには自由はない。安定的な電力供給なくして、人間の生活も文化も、民主主義さえ維持できない。