1960年の米大統領選で…

 1960年の米大統領選で民主党のケネディ、共和党のニクソンによる初のテレビ討論が行われてから、あす26日で53年になる。当時は白黒テレビの時代だったが、ブラウン管越しに映えるダークスーツでさっそうとしたケネディに対し、ニクソンは背景にとけ込むような薄い色のスーツ。しかも病み上がりで弱々しかった◆ラジオで討論を聞いた人の多くはニクソンが勝ったと思ったが、テレビを見た人の多くはケネディが勝ったと思ったという。討論の内容より、見た目の存在感の有無が勝敗を分けた点で、現在の「イメージ選挙」のはしりとされる◆「イメージ選挙」という言葉には揶揄(やゆ)するような響きが伴うが、テレビ映りが選挙の勝敗を左右する時代になったことは否定しようもない。石垣島でも3年前の市長選で、小泉進次郎衆院議員が新人候補だった中山義隆氏(現市長)の応援に駆けつけ、フィーバーを巻き起こした記憶は新しい◆小泉氏が街頭演説で何を話したのか、ほとんどの市民は覚えていないだろうが、若者たちを巻き込んだあの熱狂の渦が、選挙の帰趨(きすう)を決定的にしたという見方もある◆「中身より外見」の時代だと嘆いてはいけない。「中身も外見も」という時代になったのだ。これが民主主義である。