「平和教育発言」に賛否 発言意図は軍国主義復活 市民は「右傾化」に冷ややか 前津市議

インタビューに答える前津氏
インタビューに答える前津氏

 ―教育長の平和教育発言をどう見るか。
 「沖縄では日本で唯一の地上戦があり、八重山では戦争マラリアの悲劇があった。事実をありのまま伝えることが『悲惨さを強調している教育』とは、どういう根拠で言っているのか。戦争が悲惨なのは当たり前だ。教育長の発言は異質過ぎる。政治的意図を感じる。国防思想の強化、かつての軍国主義の復活をもくろむ政治的意図を感じる」


 ―教育長に対して感じていることは。
 「戦争マラリアの惨禍を経験した地元からこういう発言が出たこと自体、教育者としての資質が問われている。この発言は八重山教科書問題ともつながっている。これまでの平和教育を『自虐史観だ』と批判する人たちが書いた育鵬社の中学校公民教科書を採択した動きだ。秘密裏に、強行的に進められた。今回の発言で、教育長に政治的意図があったことが証明された」
 「合議制である教育委員会も、琉球大の准教授排除問題を見ても分かるように、教育長の独断専行を許していた。教育委員会制度が機能していない」
 ―与党多数の議会で不信任案を提案して、可決の見通しはあったのか。
 「可決されるとは思っていなかったが、議員一人ひとりの良心が表れた結果だ。可決後、いろいろな人から電話などで『よくやってくれた』という激励をもらった」


 ―平和教育は現状のままでいいのか。
 「基本的には現状のままでいいと思うが、戦争体験者が少なくなっていく中で、どう語り継いでいくかが試されている」


 ―石垣市の「右傾化」を危惧する声がある。
 「教育長の就任後、教科書問題や尖閣問題など、いろいろな方面で右傾化の動きがある。しかし一般市民は比較的冷静だ。そうした動きを冷ややかに見ている」


 ―不信任決議後の対応は。
 「教育長が出席する議会のボイコットは検討の余地があるが、市民生活の停滞をきたさないよう見極める必要がある。市長も任命責任が問われている。任命権者として教育長を辞職させるべきだ」