中国の実態㊤ 兼次 映利加

講演するイリハム・マハムティ氏
講演するイリハム・マハムティ氏

 去る9月22日、浦添市のてだこホールで「侵略国家中国の実態と沖縄の危機」という講演会が行われました。講師として日本ウイグル協会のイリハム・マハムティ氏と、元警視庁通訳捜査官の板東忠信氏をお招きし、200名の方が来場されました。


 東トルキスタンと日本、両国の国歌に始まったこの会では、まず『中国共産党によるウイグル人虐殺の実態』というタイトルで、イリハム氏にお話をいただきました。ウイグルのクムル出身の同氏は、写真を用いて故郷の実情を語りました。「ウイグルの学生には宗教を信じてはいけないという禁止事項があります。ひげをたくわえている男性やスカーフをまとっている女性は、公共施設に入れないだけでなく、社会保険の手続きもできません」。


 以前書いたように東トルキスタンはイスラム教の国ですが、宗教を信じていると、わたしたちが当たり前だと思っている社会保障を受けることもできないのです。古来からの信仰や風習を捨てるということは容易なことではないとわたしは思います。それは脈々と続いてきた民族の連鎖を断絶するということを意味するからです。わたしたちには誰一人の例外なく父がいて母がいて、わたしたちの両親にもそれぞれ両親がいて、何代も何代も紡がれてきたご先祖さまとの繋がりがあります。


 突然目の前にあらわれた中国人に、「沖縄の宗教も風習も、方言も日本語も捨てて、中国共産党・毛沢東主席に感謝して従え」と言われたとき、わたしたちはそれを受け入れることができるでしょうか。といっても実際にその状況に直面したとき、できるかできないかは重要ではありません。なぜなら従わない者は容赦なく殺されるからです。また家族を養うために生きなければならない人々は、信仰や文化を捨てて、自由のない暮らしを強いられます。こうして固有の文化や共通の認識、また歴史や言語が消滅していくのです。


 イリハム氏はまた、「被爆国は日本だけではありません。トルキスタンでは何度も核実験が行われています」とも訴えました。度重なる弾圧だけでなく、東トルキスタンでは中国共産党による核実験が1996年までの間に46回も行われており、その被害者は129万人、死亡者は19万人といわれているのだそうです。人民解放軍がウイグルにきて60年あまりの間に何十万人もの東トルキスタンの人々が虐殺されています。


 最初に核実験が行われた1964年は、東京オリンピックが開催され、日本で最初の聖火上陸地として沖縄でも聖火リレーが行われました。我々だけでなく、世界中がオリンピックに沸いていたその影で、誰に告げ知らされることもなく被爆被害を受け続けてきた人たちがいたのです。


 すぐ隣の国で起こっている、このような現実を知らない人はまだ多いと感じます。しかしこの事実を知ったなら、まずは意識を変えなくてはいけないのではないでしょうか。どうしてイリハムさんは故郷や家族から遠く離れて、この日本の各地でこのような訴えを続けるのでしょうか。それは、世界のどこの国にもウイグルのようになってほしくないと願うからです。沖縄はとくに、中国の脅威を目の当たりにしています。氏は「ウイグルで起こったことは日本でも起こる」とも語られました。わたしたちが身を守るために必要なのは、隣国に対する知識を持ち、見識を備えることです。(つづく)

 

 中国の実態についてご興味をもたれた方は、インターネットからhttp://uyghur-J.org/japan/を訪れてみてください(紙面をお読みの皆さまには『日本ウイグル協会』で検索されるほうが簡単です)。
 また、講演会当日の資料をご希望の方には無料で送付いたしますのでfacebookで兼次映利加にメッセージをお送りくださるか、講演会の主催の沖縄対策本部http://blog.goo.ne.jp/jiritsukokkaまでお問い合わせ下さい。