「八重山の偉人は」と…

 「八重山の偉人は」と聞かれたら、一昔前は「大浜信泉」「具志堅用高」あたりが一般的だっただろうが、最近の若者なら「ビギン」「夏川りみ」と答えるかも知れない。でも、わずか20年ほど前まで、八重山から全国的なメジャー歌手が生まれるなどとは考えられなかった。八重山は離島の離島、「辺境」に過ぎず、生活のすべてに不便さがつきまとった◆ところが、ここ10年ほどの観光客の激増が八重山のブランド化と、ステイタスの急上昇をもたらした。インターネットの普及は情報格差を縮め、離島苦を一気にぬぐい去った◆そして今年3月の新石垣空港の開港で、空前の観光ブームが到来。今や八重山は、誰もがあこがれる「南国の楽園リゾート」である。皮肉なことに、近年の尖閣諸島問題なども八重山の知名度上昇に一役買っている◆しかし住民は、この「変化」をどこまでしっかりと受け止めているか。政治、経済、人材育成など多くの分野で、変化に対応する戦略が練られているか。冷ややかな目で見れば、ただ浮かれてばかりという気がしないでもない◆いつの間にか始まったブームが、いつの間にか終わっていたというのでは最悪だ。絶頂へと向かいつつあるように見える今だからこそ、長期的な視野で将来の八重山像を考えたい。