プロドライバーとしての自覚を持て 辻 維周

 新空港開港以降、島内の交通量が激増し、それに比例して交通事故も増加している。人身事故は幸いなことにそれほど多くはないが、表に出てこない物損事故が多く、非常事態となっているようである。


 その中で目立つのが、看板を背負った車両、つまりタクシーや観光バス、運送業者などの営業車や送迎車の無謀な運転が多いことである。
 こちらが制限速度で走っていると、さっさと走れとでも言わんばかりに煽り、追い越し禁止区間でも平然と追い越しをしていく。特にひどいのが国道390号線の白保~新空港、県道79号線の名蔵湾沿い、宮良基幹農道である。その中でも宮良基幹農道は宮良牧中から白保北までほぼ一直線の下り坂が続くため、無法状態とも言えるほど、飛ばしに飛ばしている車が目に付く。しかしこの区間は農道が多数交わり、そこを農耕用車両がゆっくりと横断してゆくことも多いため、直前で発見しても、あの速度だと到底止まりきれるものではない。また雨の後など、土砂などの堆積物もあちらこちらにあって、それにハンドルを取られたり、スリップしたりする危険性も高い。


 また2週間ほど前、県道79号線を川平から市街地に向けて走行中、崎枝の下り坂で大型観光バスが猛然と迫ってきて、追い越し違反をしていった。乗客の命を預かっているバスやタクシーが、そのようなひどい運転をしていること自体ありえないことであり、プロドライバーとしての自覚がないとしか考えられない。川平から市街地までや市街地から空港までも、制限速度で走ろうが、乗客はもちろんのこと、他車や歩行者、自転車を危険にさらしながら80キロで走ろうが、あの距離では5分と変わらない。


 八重山郡内の速度は40キロから50キロ、集落内は20キロから30キロに制限されているにもかかわらず、それを遥かに越える速度で運転するリスクを考えないプロドライバーが、この島には多すぎる。


 先日、離島桟橋でイリオモテヤマネコの交通事故防止キャンペーンに参加していたとき、ある観光客に「こっちのタクシーの運転は恐ろしくて、レンタカーを運転するのが怖くなりました。海沿いの道で何台ものタクシーにあおられたり、追い越し違反をされたりしました。プロとしてのモラルが欠けていますね。次からはもっとのんびりできる場所を探すことにします」とまで言われてしまった。


 この言葉を聞いて、いったい何人のプロドライバーが恥ずかしいと思うだろうか。もし思わないのならば、島のためにも、すぐに2種免を返上したほうがよい。