作家の三島由紀夫が…

 作家の三島由紀夫が自衛隊駐屯地で自決して25日で43年となる。東京ではこの日にちなみ、毎年「憂国忌」が開かれており、今年は三島の憲法改正論などを題材にシンポジウムが開かれる予定だという◆三島は憲法を改正し、自衛隊を「天皇を中心とする日本の歴史・文化・伝統を守る」軍隊として再建することを訴えて死んだ。日本人が自主防衛の精神を忘れ、自衛隊は事実上、米国の軍隊になってしまっている、と憂えた◆三島の危機意識は当時こそ理解されなかったが、21世紀に入った今、その問いかけは、かえって生々しい現代性を持って迫ってくる。日本、沖縄、そして八重山を取り巻く国際環境は厳しさを増す一方なのに、憲法がそれに対処できていないという現実。改正するにせよ、しないにせよ、そのあり方を議論の俎上(そじょう)に載せ、国民的な議論を深めるべき時期が来ている。恐らく、それこそ三島が望んだことであり、そのために自決というセンセーショナルな手段を選んだのだろう◆三島は自決直前に自衛隊員に配布した檄文(げきぶん)で「今こそわれわれは生命尊重以上の価値の所在を諸君の目に見せてやる。それは自由でも民主主義でもない。日本だ」と記した。それから43年。日本とは何か、まだ問われている。