恣意(しい)的な報道ほど…

 恣意(しい)的な報道ほど困ったものはない。「尖閣諸島開拓の日」の1月14日、石垣市が式典を開き、その様子は翌日の中国国営放送でも報道されたが「釣魚島(尖閣の中国名)が石垣市に属するという妄言の式典」という紹介だった。14日は開拓の日ではなく、日本が尖閣を「盗み取った」日だと強調した◆また、安倍首相が式典に「尖閣の領有権をめぐり、解決すべき問題は存在しない」というメッセージを送ったことだけを報じ、中山市長が「中国との友好親善を積極的に展開したい」と呼び掛けたことには、残念ながら一言も触れなかった◆中国紙は式典開催について「第二次世界大戦後の国際秩序に挑戦する危険な行為だ」とも批判した。石垣市は世界の平和を乱す悪者だと言わんばかりである。中山市長は式典を通じ、平和と友好を願う気持ちを世界にアピールしたのに、肝心の中国国民には、全く逆のことが伝わっている。これが独裁政権に牛耳られたメディアの恐ろしさである◆だがそれだからこそ、中国国民との民間交流が必要だ。お互いの顔を見て、胸襟を開いて語り合えば、誤解が解けることもあるだろう◆竹富町には「隔ての海を結びの海に」という美しい言葉がある。21世紀は、東シナ海を中国、台湾、日本の平和と共生の海にしなくてはならない。