中国とベトナムの公船衝突事件を…

 中国とベトナムの公船衝突事件を知り、思い出した光景があった。昨年5月、記者が漁船に同乗して尖閣諸島の周辺海域に行った際、領海侵犯して近づいてきた中国公船「海監」3隻が漁船に体当たりしようとしたのだ◆巨大な中国公船が、くり船のような漁船に襲いかかって来たのである。海上保安庁の巡視船が間に割って入り、中国公船をけん制したため事なきを得たが、中国側が本気だったら、漁船はこっぱみじんだったに違いない。中国公船はこのあと、数時間にわたって漁船を包囲し、我が物顔で航行を続けた◆南シナ海の事件で、中国はベトナム艦船が衝突してきたと主張しているようだが、尖閣海域で中国公船の振る舞いを目撃した経験からすれば、体当たりしたのは間違いなく中国公船だ◆尖閣周辺の中国公船はかなり横暴な態度だったが、日本の巡視船のほうが数で勝っていたためか、漁船への実力行使はためらっていたようだった。南シナ海ではベトナムに対し、中国公船の数が圧倒的に優勢だという。やりたい放題だろうと想像できる◆きょうの南シナ海が、あすの東シナ海となるかも知れない。尖閣周辺でも南シナ海でも、中国がやっていることの本質は同じだ。海洋進出にまい進する中国の姿は、すなわち強盗国家といえる。