2014年

12月

19日

日本では年末の風物詩とも…

 日本では年末の風物詩とも言われるベートーヴェンの「第9」が12月13日、石垣島でも生で響き渡った。「日本最南端の島から第9の調べで平和を発信しよう」をキャッチフレーズに、この演奏会に向け「石垣フィルハーモニー管弦楽団」が結成され、関係者の意気込みは並々ならぬものがあった◆10年ほど前にプロのオーケストラが招かれ、地元の合唱団と「第9」全曲を共演したことがある。今回のオーケストラは島外からの応援も仰いでいるが、主体は地元であり、その意味でも画期的な取り組みだったと言える◆演奏されたのは「第9」の最終楽章のみだったが、アマチュアとは思えないほど情熱的で、難しいパッセージにも果敢に挑戦しているのが聴き取れた。合唱はオケに負けない圧倒的な声量で、広い会場を「歓喜の歌」で包み込んだ◆シラーの「すべての人が兄弟になる」という歌詞は、人類の融和を歌い上げたものとして有名だ。しかしそれだけではなく、苦難を乗り越えて力強く生きた作曲者自身の人間ドラマでもある。それは「第9」全曲を聞かないと伝わりにくい◆千里の道も一歩から。たとえ時間がかかっても「石垣フィル」で「第9」のすべてを聴ける日を楽しみにしたい。沖縄の音楽史に残る金字塔になるだろう。